【美容師が解説】髪のきしみ対策とシャンプー方法

髪がきしんでしまう厄介なトラブル
髪がきしむのは、ごくありがちなトラブルと言えます。指通りが悪く、触れた時の感触も良くありません。特に髪の長い女性はギシギシ感に悩まされがちです。そして女性にとって髪のコンディション不良は、大きな悩みとなりうるのではないでしょうか。なぜ髪はきしんでしまうのか、どんな風に対処を行えば良いのか解説をしていきます。

 

 

監修美容師

  • 熊倉祐介

髪がきしんでいる状態について


熊倉
髪のギシギシに大きく関係しているのが、pH値と呼ばれるものです。ピーエイチやペーハーなどと読みますが、これは酸性やアルカリの度合いを指す数値のことです。
pH値は0~14までの数字で示すことができ、数字が小さい場合は酸性、反対に数字が大きい場合はアルカリ性と判断します。また、中間は中性を指します。では、髪は通常、どのあたりに位置するのかというと、4.5~5.5と言われています。髪がナチュラルな状態であり、これが基準値です。
pH値が変動する原因のひとつとして、水道水の影響が挙げられます。水道水はpH値が7程度でアルカリ性に近いです。この数値は髪にも影響を及ぼし、中性からアルカリ性へと傾きます。するとキューティクルが開き、その影響で髪はきしんでしまうのです。

 

 

髪がきしむ原因とは?

 

(1)お風呂上がりのケアができていない

お風呂上がりは髪を乾かすことが大切です。しかし、面倒だからと自然乾燥で済ませてしまう人もいるのではないでしょうか。放っておいても乾きますので、ついつい自然に任せてしまうというケースもありがちです。ただ、濡れた髪の放置は良くありません。濡れた髪は膨張状態にあり、キューティクルが少し開いたままの状況です。自然乾燥をさせた場合、キューティクルが完全に閉じ切りません。それによって指やクシが引っ掛かりやすくなります。さらには乾燥が引き起こされ、パサつきも相まって手触りはもっと悪くなることが考えられます。ダメージが気になりドライヤーを使わない人もいるようですが、きちんとトリートメントやヘアオイルを活用すればダメージの心配はありません。

 

(2)洗浄力の強いシャンプー


髪がきしむのは、普段のシャンプーにも原因が隠れている場合があります。ダメージになり得るのはカラーやパーマというイメージが強いですが、実はシャンプーにも注意が必要なのです。特に洗浄力が強いシャンプーには気を付けた方が良いでしょう。
洗浄力が高い成分としては、ラウレス硫酸が代表的です。安価なシャンプーを中心に配合されており、洗浄力の高さが特徴です。汚れを落とす力が強いため、しっかりと洗った感触が生まれるのが魅力ですが、ただ髪にとっては刺激になりやすい傾向があります。髪へのダメージをお構いなしに、ガンガン汚れを落とす成分のため、髪の痛みも増大してしまうのです。シャンプーは毎日のことですので、洗浄力が高過ぎる物を使うとそれだけきしむリスクも高まるのです。

 

(3)シャンプーの洗い方

シャンプー時の洗い方にも注意が必要です。基本的にシャンプーは頭皮を洗うための作業と考えておくと良いでしょう。なんとなく髪の毛を洗うための行為と捉えられがちではあるものの、実は髪そのものの汚れは簡単に落とすことができますので、そこまで丁寧に洗う必要はありません。お湯だけで70%程度の汚れは落ちるほどであり、わざわざ泡で擦るなどはせずとも良いのです。※整髪料が付いている場合は丁寧に洗い流しましょう。
ところが、頭皮よりも髪を重視して洗う人は少なくありません。するとキューティクル剥がれを引き起こし、きしみの原因になってしまうのです。まずは洗い方の認識から変えていかないと、どんなケアを行ってもダメージはなくなりませんので注意しましょう。

 

(4)髪のダメージ

ダメージヘアーになっているのもギシギシ感を生み出す原因のひとつです。外的要因によって傷みがもたらされ、手触りも悪くしてしまいます。
注意が必要な要素としては、カラーリングをはじめ、ヘアーアイロンや紫外線なども挙げられます。いずれも多くの女性に関連する要素で、普段から傷め付けてしまっている人は多いはずです。
こういったダメージはキューティクル剥がれの原因になるのはもちろん、髪の成分でもあるタンパク質にも負担が掛かってしまうのです。本来は整列しているはずのキューティクルが剥がれるなどすれば、手触りが悪くなりますし、タンパク質が破壊されればハリコシのない状態になってしまうでしょう。何気なく行う行為によって、ギシギシが強まる上、パサつきがちなコンディションを作り出してしまうのです。

 

 

髪のきしみを対策する方法

 

(1)お風呂上がりは必ずドライヤー


ギシギシ感を抑えるための基本の対策として、まずはしっかりと乾かしてから寝るようにするのが鉄則と言えます。濡れた状態ではキューティクルが開いた状態となり、言わばタワシのような毛羽立った表面となってしまうのです。その状態で寝てしまうと、枕と擦れるなどしてダメージになってしまうため、知らず知らずの内にどんどん傷め付ける羽目になりかねせん。
こうしたダメージを防止するには、完全に乾かすことが重要です。したがって、自然乾燥で済ませている人はきちんとドライヤーを使うようにすることが欠かせず、完全に乾いた状態を確認してから寝るのがおすすめです。自然乾燥派の人からすれば面倒な作業に感じるかもしれませんが、乾かす習慣を持つことで、本来の美しい状態をキープしやすくなります。

 

(2)洗い流さないトリートメントでケア

洗い流さないトリートメントを使った対策もおすすめです。使い方は簡単で、タオルドライをした後に適量を付け、後はドライヤーで乾かすだけです。
美容成分がキューティクルを整えてくれると共に、ツヤがありまとまりやすいコンディションを生み出してくれます。健康的な見た目と、手触りの良さを手軽に実現できる頼れるアイテムです。また、ドライヤーの熱からも保護してくれる役割もあります。そもそもドライヤーの熱ダメージが気になり自然乾燥をさせる人もいるようですが、事前にトリートメントで保護することでダメージを防止できるのです。ただ、あまりベタベタと付けてしまうと、肌荒れの原因にもなりかねませんので、適量を守って使うのがポイントです。

 

(3)アミノ酸系シャンプーに変える

シャンプー自体を、髪に優しいものへと変更をするのも効果的です。ダメージを減らすにはアミノ酸系の洗浄成分が主体のシャンプーを選択するのがおすすめと言えます。ラウレス硫酸などの高級アルコール系洗浄成分と比較して、マイルドな洗い心地を持っているのが特徴的です。ダメージになりにくく、優しく洗うことが可能です。頭皮への刺激にもなりにくいため、乾燥肌や敏感肌などのデリケートな地肌になっている人にも打って付けと言えます。
優しい洗浄効果のため、スッキリしにくいかもしれませんが、十分に汚れを落とすことができます。気になる場合は二度洗いをすることでスッキリ感を高められるはずです。ただし、あまりゴシゴシと擦るなどはせず、優しく丁寧に洗うよう心掛けましょう。

 

(4)正しいシャンプーの洗い方をする

シャンプーを正しく行うことも重要です。基本的には髪をゴシゴシと擦るような洗い方は避けなければいけません。汚れを落とすために、ついつい擦り付けるように洗ってしまう人も多いようですが、そこまで強く力を入れずとも汚れは落ちます。やたらに擦って洗うと、それだけダメージが増してしまい、益々ギシギシとしやすいコンディションになってしまうのです。
いくらその後のお手入れを丁寧に行おうとも、基本の洗い方で失敗をするとイタチごっこにもなりかねません。誤った洗い方は、自らダメージヘアーを作り出していることにほかならず、基本から見直していかなければ上手く改善もできないでしょう。普段の洗い方は適切なのか見直し、NGポイントがあるようなら速やかに改善を図ることをおすすめします。

 

 

髪のきしみを抑える正しいシャンプー方法

 

(1)ブラッシング


シャンプーの際にはまず、ブラッシングを行っておくことが大切です。目的のひとつは絡まりを解消するためです。髪同士が絡まっていると、洗い作業をしている時にも指が引っ掛かってしまったり、摩擦が生じやすくなったりします。また、引っ掛かりやすい状態は抜け毛の原因にもなりかねません。
大体の汚れを落としておくのも目的のひとつです。ブラッシングを行うことで髪や頭皮に付着した汚れが落ち、お湯やシャンプーが隅々まで行き届きやすくなります。泡立ちも良くなるため、無用に頭皮を擦るなどの作業が不要となり、ダメージを減らすことにも繋がるはずです。なお、ブラッシングをする際には無理に引っ張らず、優しく丁寧に絡みを解いていきましょう。

 

(2)予洗い

本格的に洗い始める前に、予洗いを行うのも効果的です。事前にある程度の汚れを落とすことで、その後のシャンプーの効果を高めることができます。お湯で洗うだけも大部分の汚れは落ちるため、この段階である程度はスッキリさせることができるはずです。
時間としては、3分くらいを目安に行うのが良いでしょう。長く感じるかもしれませんが、予洗いで十分に汚れを取り除くにはこのくらいの時間を掛けた方が効果的です。それに、頭皮は顔の3倍以上も汚れが溜まりやすい場所と言われています。十分な時間を掛けないと汚れをしっかりと落とすことができません。予洗いの際には頭皮をマッサージするような感覚で、丁寧に洗っていくことで洗浄効果を高められます。

 

(3)手で泡立てる


洗い作業に入る際には、まず手の平にシャンプーを出し、十分に泡立ててから頭に付けるようにします。液状のまま付けてしまう人もいるかもしれませんが、泡立っていない状態で付けてしまうと、ダメージになりやすいです。泡立てるために頭を擦ることになりますので、それが刺激となってしまうのです。キューティクル剥がれの原因にもなってしまうため、いきなり付ける習慣になっている人は改善をした方が良いでしょう。また、途中でシャンプー剤を足す際にも同じように泡立ててから頭に付けるのがおすすめです。ワンクッション挟むために手間に感じられてしまうものの、この作業がギシギシを防止する一端を担いますので、正しい洗い方として心掛けるようにしましょう。

 

(4)やさしく洗う

シャンプーの際には、頭皮をゴシゴシと擦るようなやり方になっている人もいるのではないでしょうか。汚れを落とすため、ついつい強く擦ってしまいがちですが、そうした洗い方は注意が必要です。強い摩擦によってダメージとなり、キューティクル剥がれの原因にもなりかねません。また、強く擦っている内に、爪が頭皮に当たり傷付けてしまう恐れもあります。それによって頭皮環境の悪化リスクにもなりかねないです。
優しくシャンプーをするには、指の腹を使ってマッサージをする感覚で洗うのがポイントです。頭皮を揉み込むように洗うことで、ダメージを最小に留めることができますし、洗浄効果もアップします。とはいえ、強く揉む必要はありませんので、気持ち良さを感じる加減で行うようにしましょう。

 

(5)しっかりすすぐ

しっかりと洗うことができたら、仕上げとして十分にすすぎを行うのもポイントです。すすぎが不十分ですと、汚れやシャンプー剤残りが発生し、それが髪へのダメージになる恐れがあります。また、頭皮トラブルなどの原因にもなるため、隅々まで洗い流さなければいけません。特に耳の裏や襟足付近などはすすぎ残しが発生しやすい箇所です。意識的に流すようにし、汚れを残さないように心掛けましょう。十分なすすぎはシャンプーの時だけでなく、トリートメントの時も同様です。しっかりと流しても保護効果は残るため、成分を残そうとする必要はありません。
なお、洗う時の倍程度の時間を掛けてすすぐのが理想的です。短時間では十分に洗い流せないため、時間を掛けて丁寧に作業を行うようにしましょう。

 

 

まとめ

髪がきしむことで不快感が生まれると共に、見た目の健康を奪ってしまう原因にもなります。キューティクル剥がれが根本の原因ですが、普段の心掛け次第でギシギシ感を防止することも可能です。特に毎日のシャンプーは正しく行うようにしましょう。誤った洗い方をしていると傷みの原因となり、コンディションも整いづらくなります。また、必要に応じて洗い流さないトリートメントを使うほか、しっかりとドライヤーを掛けてから寝るなどの心掛けを持っておくことも大切です。